大正2年に建築された古い家屋の記憶が残る湯浅会館。
伝統的な木製格子が端正な趣を見せる町家です。
もともと邸宅だった建物は、2024年3月、個性豊かな店舗が集まる小さな商業施設として生まれ変わりました。
今回ご紹介するのはその湯浅会館1階にオープンした「炭火ビストロNattsun(ナッツン」。
中庭に面した、パリのビストロの空気感漂うお店で、まったり昼呑みを楽しみませんか?
\全室レイクビューのセトレ取材レポ!/
炭火ビストロNattsunの基本情報
店名 | 炭火ビストロNattsun |
住所・アクセス | 〒600-8406 京都府京都市下京区亀屋町172 湯浅会館3号館 GoogleMaps 地下鉄烏丸線五条駅1番出口から徒歩4分 |
電話番号 | 090-1023-6535 |
営業時間 | 10時00分~18時00分(L.O.16時30分) |
定休日 | 月曜日 |
公式インスタグラム | https://www.instagram.com/sumibibistro_nattsun |
築110年以上のレトロな邸宅に誕生したビストロ店
以前は先斗町で「BAR a Vin NATTSUN(バー・ア・ヴァン・ナッツン)」を展開していたオーナーの池口奈津子さん。
さまざまな事情からBAR a Vin NATTSUN は閉店したものの、2年の歳月をかけて心機一転、湯浅会館で新たにビストロ店を開業しました。
先斗町時代から二人三脚で店を切り盛りしてきた大島さんが、ここでも焼き場を担当。
朝獲れの新鮮そのもの鶏や野菜を丁寧に焼き上げてくれます。
「本当はパリに出店する予定で話は進んでいたけれど、世界情勢が影響して断念しました。
パリの昔ながらのビストロが大好きで。その空気感を持つお店を京都でやろう、と軌道修正したんです」とは奈津子さん。
日本の古き良き歴史を残した京都で、パリの趣を感じさせる炭火ビストロNattsun。
料理の一皿ひと皿にはもちろん、サービスや店内のインテリアの隅々にまでオーナーたちの想いが溢れていました。
オーナーや料理人との距離感もどこか楽しい和やかな空間
カウンター4席、テーブル8席のコンパクトな店内はキッチンとも近く、お客様とお二人のやりとりを聞きながら和やかに食事が楽しめます。
心地よい一体感のあるお店の雰囲気は、お二人の親しみやすいお人柄によるもので、初めて来たのにどこか懐かしい、そんな気持ちにさせてくれました。
テラス席の向こうには、手入れされた中庭と懐かしい縁側があり、和と洋が混在した独特の雰囲気もまた絶妙です。
ワインセラーに天袋が残っており、「面白いな」と眺めていると、奈津子さんが教えてくれました。
「ここは書院の様式をそのまま再利用しています。
すべて壊してしまうのではなく、できるだけ古い建物の良さも残していきたくて、天井や欄間も活かしています」。
そうした建物の郷愁感も相まって、初めてではない“安心感”みたいなものを感じたのかもしれません。
焼き上がった瞬間の食材そのものの美味しさを堪能
メニュー構成は炭火焼き料理とフレンチ料理がメイン。定番はやはり炭火焼きです。
お店自慢の「焼きとりアンサンブル」(盛り合わせ)の一部をいただきました。
鶏料理の命は、なんといっても素材の新鮮さにあると言います。
“鶏を絞めてから、いかに短い時間で提供できるか”、が新鮮さの鍵を握るということで、朝獲れの鶏肉のみを使用。
朝から丁寧に仕込み、土佐備長炭でじっくり焼き上げた一串を、愛らしいジアン(1821年創業のフランスの老舗陶器ブランド)の小皿で提供してくれます。
プリンプリンのモモ串は、モモ肉の間に皮を挟んで焼くことで、皮とモモの食感とジューシーな脂がバランスよく絡み合うとか。
脂がさっぱりしていて、すぐに「お代わり!」と言いたくなるところ。
柔らかなささみにかかっているのは、チーズかと思いきや山わさび。
甘味とピリリとした辛味が淡白なささみにアクセントを添えています。
ふわふわながらも肉感がしっかりしたつくねには、オレガノをたっぷり使用。
ハーブっぽさというよりも薬味たっぷりという印象で、爽やかな味わいを楽しめます。
お次は彩りも美しい「炭火焼野菜のプレート」。
野菜は「やおやワンドロップ」や「やおやたいよう」「樋口農園」で奈津子さん自らが買い付け、奈津子さんの目利きに適ったものだけを提供しています。
「信頼できる老舗の農家さんだけでなく、本当に美味しい野菜を届けてくれる若手の八百屋さんを応援したい」という気持ちも強いのだとか。
彩り豊かな野菜プレートは、これだけでごちそうです。
炭火で焼くことで野菜の甘さや旨みもグッと凝縮され、ひと口ずつしっかり噛み締めながら味わうことができました。
地下鉄やバスでアクセスしやすい「五条高倉エリア」
最もアクセスがよいのは、地下鉄烏丸線「五条」駅。京阪本線「清水五条」駅からも散歩気分で徒歩12分ほど。
京阪バスの「高倉五条」も近くアクセスは良好。
ショッピングや観光でにぎわう河原町周辺からも回遊しやすいのが嬉しいですね。
炭火ビストロNattsunでパリ気分の昼呑みを満喫した後は、同じく湯浅会館のハイボール専門店へハシゴする…なんて楽しみ方もあります。
最近は認知度も高まってきていますが、日によっては予約がすぐに取れることもあります。
また小さなお子様連れのお客様も歓迎!なので、まずは電話で確認してみることをお勧めします。
まとめ
京都もパリも、古い伝統的なものを守りながら進化している街です。
そんな京都とパリの魅力を融合した炭火ビストロNattsunは、気取らず楽しく、食材のシンプルな美味しさにていねいに向き合えるお店です。
大島さんの手さばきを眺めながら、奈津子さんのパリやワイン、料理のお話に耳を傾けながら、ワイン片手に、優雅なひとときを満喫してくださいね。
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